ドバイは、かつては小規模な港町に過ぎませんでしたが、わずか100年足らずで世界有数の経済都市へと成長しました。
石油収入に依存していた時代を乗り越え、現在では金融、不動産、観光、物流、ITなどの非石油分野がGDPの約70％を占めています。
2024年にはUAE全体で約1.7兆ディルハムのGDPを記録し、前年から4％の成長を達成しました。

２．国際的な地位の確立

2024年1月、UAEは新興経済国グループであるBRICSに加盟しました。
これにより、ドバイは中東のみならず国際社会においても存在感を高め、資金・人材・企業をさらに呼び込む基盤を固めています。
今後も国際金融ハブとしての役割は一層強化される見込みです。

ドバイ政府は「Dubai Economic Agenda (D33)」を掲げ、2033年までにGDPを倍増させるという目標を示しています。
重点分野は以下の通りです。

• 観光：年間9,200万人超が利用するドバイ国際空港、2027年には統合型リゾートの開業予定
• 不動産：世界最大の人工島「パーム・ジュメイラ」をはじめとする大型開発
• 金融：ドバイ国際金融センター（DIFC）を中心とする国際金融市場の整備
• 物流：ジュベル・アリ港およびフリーゾーンによる中東・アフリカ市場の物流拠点化

投資家にとってドバイが魅力的である理由は、税制と規制環境にあります。

• 個人所得税、キャピタルゲイン税、相続税、住民税は非課税
• 30以上のフリーゾーンにおいて外資100％所有が可能
• DIFCでは英米法に基づく司法制度を採用し、国際的に通用する法的枠組みを整備

これにより、世界中の企業や投資家が安心してビジネスを展開できる環境が整っています。

ドバイは「世界一」の都市として数多くの記録を持ちます。
ブルジュ・ハリファ（世界一高いビル）、ドバイモール（世界最大級の商業施設）、パーム・ジュメイラ（世界最大の人工島）などはその代表例です。
これらは単なる観光資源ではなく、世界から人と資金を呼び込む国家戦略の一環です。
現在建設が進められている高さ1,345メートルの超高層タワーも、今後の経済発展を象徴するプロジェクトとなるでしょう。

日本国内では、不透明な投資案件や詐欺的な事例が少なからず存在しています。
その点、ドバイは国家主導の透明性の高い政策と国際基準に基づく制度を整え、投資家が安心して参入できる市場を提供しています。